気温が上がり梅雨の到来があって夏きのこの始まりとなりますが。今年の梅雨は遅れたばかりでなく、気温だけが上昇して一向に雨の兆しがない空梅雨で、今年最初の川越・狭山の観察会が心配でした。ところが観察会の３日前、観察会があることを知っていたかのように恵みの雨があり、その心配は杞憂に終わりました。

　朝9時を過ぎる頃、ここ上赤坂公園に参加者の皆様の参集が始まり、定刻の9:30には今日の期待に沸く賑わいとなりました。世話人と事務局からの連絡の後、会長の挨拶があり、いよいよ出発となりました。観察会場は、堀兼・上赤坂公園周辺の森と川越・森のさんぽ道の2か所に分かれて実施されました。

昼12時を過ぎると、手に手に獲物を携えた皆さんが公園事務所内の研修室に集まり始め、同定会の開始時間には、用意された机上に溢れんばかりのキノコが並びました。この日は気温が３０℃に達する蒸し暑い日でしたが、同定会場はクーラーの効いた涼しい部屋で、同定会は快適な環境のなか、活発な質問や意見が交わされるたいへん楽しく充実したものになりました。

参加者の皆さんから提出されたきのこは100種を超え、このうち87種が同定されたました。きのこが多いことは嬉しいことですが鑑定人の方々は大忙しで、この涼しい会場の中で汗だくになりながらの奮闘でした。同定が一段落したところで福島会長によるハラタケ目、タマチョレイタケ目、イグチ目などのキノコについての解説があり、続いて大舘からは、この日特に多く出たハラタケ目のテングタケ科、ハラタケ科について、そして最後は、お馴染みの近藤ワールドで、ニセキンカクアカビョウタケ、タコウキンヤドリタケなどの子嚢菌が紹介されました。この日注目を集めた種としては、アセタケ科のキイロアセタケ、テングタケ科のカブラテングタケ、ハラタケ科のハラタケモドキ、タマチョレイタケ目のアセハリタケ、サワフタギタケ、ミヤママスタケなど、あまりお目にかからない種や形状が特徴的な種も多くありました。

今年度初めての観察会でしたが、新入会員や大学生の皆さんに複数のお子さんも加わり、多くの皆様の参加で楽しく充実した観察会となりました。ここ数年沈滞気味の埼玉きのこ研究会ではありますが、明るい未来を感じる観察会でした。

　　　
　　アカハテングタケ　　　　　　　アシグロホウライタケ　　　　　　アセハリタケ

　　　
　　アミガサホウライタケ　　　　　アミスギタケ　　　　　　　　　　　オオツルタケ
　　
　　　
　カブラテングタケ　　　　　　　　　サワフタギタケ　　　　　　　　　シロキクラゲ

　　　　
　　テングタケダマシ　　　　　　　　ニセショウロ属　　　　　　　　　　ノウタケ

　　　
　ハカワラタケ　　　　　　　　　　　ハラタケモドキ　　　　　　　　　　ヒイロタケ

　　　　
　ヒイロウラベニタケ　　　　　　　フクロツルタケ　　　　　　　　　ヤケノアカヤマタケ

川越・狭山平地林の確認種